「奨学金で新NISAをやりたい」「けど奨学金で新NISAを始めても本当に大丈夫?」と考えているあなた。
学費や生活費のために借りた奨学金を、投資に回すことは賢明なのでしょうか?それともリスクが高すぎるのでしょうか?
結論からいうと、奨学金で新NISAをするのはアリです。
奨学金は低金利で在学中は無利子なときも多いので、投資のリターンが奨学金の利率を上回れば合理的な選択といえます。
ですが、奨学金は返済義務がある借金なので、余剰資金で投資することが重要です。
この記事では、奨学金投資のメリット、想定リターン、注意点などを詳しく解説しています。
「やっておけばよかった」と後悔しないために、正しい知識を手に入れて新NISAを始めましょう。
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奨学金や融資、支援制度の種類と特徴

大学や専門学校の進学には多額の学費がかかりますが、経済的に困難な家庭を支援するために、さまざまな奨学金制度や融資、支援制度があります。
以下が代表的な奨学金や融資、支援制度です。
- 日本学生支援機構(JASSO)の奨学金
- 教育ローン
- 公的な支援制度
- 地方自治体の奨学金
- 民間団体の奨学金
- 大学独自の奨学金

1つずつ見ていきましょう。
日本学生支援機構(JASSO)の奨学金
奨学金でとくに代表的なのは日本学生支援機構(JASSO)で、大学生の約2.7人に1人が利用しています。
奨学金の種類は「給付型」と「貸与型」に分けられ、さらに貸与型は無利子と有利子に分けられます。



JASSOの奨学金は、有利子でも低金利です。
奨学金の種類 | 特徴 |
---|---|
給付型 | 原則返済不要 |
貸与型 | 返済義務あり ・第一種➡無利子 ・第二種➡有利子(固定方式と見直し方式) |



自分は第二種(有利子の見直し方式)で借りています。
教育ローン
教育ローンとは、教育費をまかなうために保護者が利用するローンです。
教育ローンには「国の教育ローン」と「民間の教育ローン」があります。
項目 | 国の教育ローン | 民間の教育ローン |
---|---|---|
融資機関 | 日本政策金融公庫 | 銀行、信用金庫など |
金利 | 固定金利(年2.95%)・保証料別 | 各金融機関で異なる |
利用限度額 | 1人当たり350万円(条件を満たす場合450万円まで) | 各金融機関で異なる |
公的な支援制度
文部科学省が提供する経済支援制度です。
低所得世帯など特定の条件に該当する家庭に対して、以下の支援があります。
文部科学省の経済支援制度 | 申し込み先 | 申し込み時期 |
---|---|---|
授業料・入学金の免除または減額 | 進学先の大学など | 入学時 |
給付型奨学金の支給 | 在学中の大学などを通じて、日本学生支援機構(JASSO) | 年2回(毎年の春と秋) |
生活福祉資金の貸付 | お住いの市区町村社会福祉協議会 | 要問合せ |
地方自治体の奨学金
各都道府県や市区町村が独自に設けている奨学金です。
自治体によって金額は異なりますが、月額平均1~5万円の奨学金(支給型と貸与型)が支給されます。
全国的には「取り扱っていない自治体」も多く、希望する奨学金が利用できないケースも多いです。
民間団体の奨学金
企業や財団、NPOなどが提供する奨学金です。
民間団体の奨学金は多くの場合、善意や寄付で成り立っています。
条件や金額は多岐にわたり、経済的に困窮する学生、優秀な学生、特定分野の学生など様々な支援があります。
大学独自の奨学金
各大学が独自の基準や内容で実施する奨学金制度です。
学力や能力が高い学生を対象としたものや、特定の学科や分野などに特化した奨学金があります。
中には入学前に利用が決定できたり、返済不要の給付型奨学金を扱っていたりする大学もあり、経済的な不安なしで進学できます。
新NISAの基礎知識と特徴


新NISA(少額投資非課税制度)は、学生や若年層でも使いやすい仕組みになっています。
奨学金で学費をまかないながらも、未来の自分に投資する手段として注目を集めています。



以下が新NISAの制度内容です。


- 人生を通して使える(恒久化)
- 利益は税金なし(保有限度額1,800万円まで)
- 親の扶養から外れない
- ネット証券なら月100円から投資できる
- いつでも売れる(現金化できる)



こんないい制度を使わない手はないです。
大学生が奨学金で投資をするのはアリ?


結論から言えば、「条件次第ではアリ」です。
条件というは、必ず余剰資金で行うこと。
無理な投資は精神的なプレッシャーが増すだけでなく、もし損失が出たら学生生活を続けられないなどのリスクがあります。



学生生活に支障が出るような無理な投資は、絶対にNG。
奨学金で生活費や学費をまかなった上で余剰資金があるなら、それを投資に回しましょう。
現代は「貯金だけでは不安」な時代です。
奨学金を借りているからこそ将来への不安がありますが、その不安を前向きな選択につなげられるのが「堅実な投資」です。



投資の実践は大きな経験値になります。
奨学金投資が向いている人・向いていない人


奨学金投資は全員に適しているわけではありません。
奨学金投資は「今ある資金をどう使うか」ではなく「将来の自分のために、今何ができるか」という視点が欠かせません。
以下の向いている人と向いていない人の特徴を比較して、自分がどちらに当てはまるかを判断しましょう。
向いている人 | 向いていない人 |
---|---|
奨学金に余剰資金あり | 奨学金に余剰資金なし |
計画的に収支を管理できる | 衝動的な支出が多く、お金の管理が苦手 |
投資の知識あり、リスクは理解している | 投資の知識なし、短期で大きく稼ごうと考えている |
長期的な資産形成に関心がある | 今すぐお金が必要・使いたい事情がある |
損失にも冷静に対処できる精神的余裕がある | 損失に不安やストレスを強く感じやすい |
周囲の意見に流されない | 周りの意見に流されやすい |



向いていなくても、一生投資ができないわけではありません。少しずつ知識を身に付ければ、行動も変わります。「まずは理解すること」です。
奨学金を投資に回したときの想定リターンはいくらか


ここでは、四年制の大学に進学し、日本学生支援機構(JASSO)の貸与型奨学金(無利子・有利子)を借り入れして投資に回したとき、どれくらいのリターンが想定できるかをシミュレーションします。
シミュレーション内容は以下の通りです。
- 第一種奨学金(貸与型・無利子)の場合
- 第二種奨学金(貸与型・有利子)の場合
*4年間、毎月一定額を積立
*想定リターンは年率3%・5%で計算(株式の平均リターン)



1つずつ見ていきましょう。
第一種奨学金(貸与型・無利子)の場合



以下が、第一種奨学金(貸与型・無利子)の借入可能額です。
大学 | 借り入れ可能額(自宅・月額) | 投資可能額(年間) | 投資可能額(4年間) |
---|---|---|---|
国公立 | 20,000、30,000、45,000 | 24万円~54万円 | 96万円~216万円 |
私立 | 20,000、30,000、40,000、54,000 | 24万円~64万8,000円 | 96万円~259万2,000円 |
大学 | 借り入れ可能額(自宅外・月額) | 投資可能額(年間) | 投資可能額(4年間) |
---|---|---|---|
国公立 | 20,000、30,000、40,000、51,000 | 24万円~61万2,000円 | 96万円~244万8,000円 |
私立 | 20,000、30,000、40,000、50,000、64,000 | 24万円~76万8,000円 | 96万円~307万2,000円 |



第一種奨学金(無利子)は、月額2万円〜最大6.4万円まで借りられます。
月額投資額 | 想定利回り(年3%) | 想定利回り(年5%) | 4年間の想定リターン(3%・5%) |
---|---|---|---|
2万円 | 102万円(元本96万円) | 106万円(元本96万円) | 6万円・10万円 |
4万円 | 204万円(元本192万円) | 212万円(元本192万円) | 12万円・20万円 |
6.4万円 | 326万円(元本307万円) | 339万円(元本307万円) | 19万円・32万円 |



無利子なので元本だけ考えればOK。月額2万のリターンは多いと見るか少ないと見るかという感じです。自分はちょっと少ないなぁと感じます。
第二種奨学金(貸与型・有利子)の場合



以下が、第二種奨学金(貸与型・有利子)の借入可能額です。
大学 | 借り入れ可能額(月額) | 投資可能額(年間) | 投資可能額(4年間) |
---|---|---|---|
国公立・私立 | 2万円~12万円(1万円刻み) | 24万円~144万円 | 96万円~576万円 |
*利子は「固定方式」「見直し方式」のどちらも年3.0%が上限 *私立大学の「医・歯学課程」は12万円に4万円、「薬・獣医学課程」は12万円に2万円の増額可 |



第二種奨学金(有利子)は、月額2万円〜最大12万円まで借りられます。自分は月額12万円借りました。
月額投資額 | 想定利回り(年3%) | 想定利回り(年5%) | 4年間の想定リターン(3%・5%) |
---|---|---|---|
2万円 | 102万円(元本96万円) | 106万円(元本96万円) | 6万円・10万円 |
5万円 | 255万円(元本240万円) | 265万円(元本240万円) | 15万円・25万円 |
8万円 | 407万円(元本384万円) | 424万円(元本384万円) | 23万円・40万円 |
12万円 | 611万円(元本576万円) | 636万円(元本576万円) | 35万円・60万円 |
有利子なので、返済時は借入額に金利がプラスされます。
あなたの奨学金の金利が株式の平均リターンである年3~5%以下なら、理論上は損失が出ません。
ですが、投資は数年程度の短期間では一時的にマイナスになることもあります。



月額5万円以上になると、結構増えるなぁという印象です。無料なので、以下から色々とシミュレーションしてみて下さい。
奨学金で投資をするなら新NISA一択


奨学金で投資をするなら「新NISA」以外の選択肢は考えづらいほど、相性が抜群です。



理由は以下の通りです。
- 利益が非課税
- ネット証券なら月100円から投資できる
- いつでも引き出せる
- 長期・分散・積立の3原則にマッチ
通常、投資の利益には約20%の税金がかかりますが、新NISAならゼロなので利益をまるごと受け取れます。
ネット証券なら月100円から投資できるので、奨学金の「余り」を使いやすいのも魅力。
やっぱり辞めたくなっても、いつでも売って引き出せるので安心です。
投資は「長期・分散・積立」が基本ですが、数年〜数十年後の将来に備えたい大学生にとって、新NISAはまさに理想的なスタイルです。
奨学金を投資に回すメリットと注意点


奨学金投資は大きなチャンスにもなりますが、同時に慎重な判断が求められることです。
奨学金投資のメリットと注意点を冷静に見極め、自分にとって本当に正しい選択かどうかを考えましょう。
メリット | 注意点 |
---|---|
扶養から外れない 確定申告が不要 時間と複利を最大限に活かせる お金の知識が身につく | のめり込みすぎない 甘い話にのらない 延滞すると信用情報にキズが付く |



1つずつ見ていきましょう。
メリット
扶養から外れない
新NISAなら利益に税金がかからないので、親の扶養から外れません。
余計な心配をせずに始められます。
確定申告が不要
新NISAなら利益に税金がかからないので、確定申告も必要ありません。
面倒な税務手続きなしで、大学生でも手軽に運用を続けられます。
時間と複利を最大限に活かせる
大学生から投資を始めると、時間と複利を最大限活かせて将来の資産運用に有利です。
長期で複利効果を活用すれば、雪だるま式に利益が増える可能性があります。
お金の知識が身につく
お金の知識(金融リテラシー)は、実際に投資を経験することで向上します。
奨学金という「限られた資金」を、生活費・学費・投資額にどう配分するかや、経済ニュースを自分の生活と結び付けて考えられるようになります。
お金の知識は「一生使える重要な知識」です。
注意点
のめりこみすぎない
投資は元本保証がないので、余剰資金で行うのが大前提です。
かりに学費や生活費まで投入して損失を出すと、学生生活が送れなくなるかも知れません。



大学生の本業は学業です。
甘い話にのらない
「必ず儲かる」「すぐに稼げる」「利回り○○%保証」などの勧誘は詐欺です。
投資は金融庁に登録がある信頼できる証券会社を通して投資しましょう。
SNSや個人的な投資話には手を出さない方が賢明です。



美味しい話は勝手にやって来ません。
延滞すると信用情報にキズが付く
借りた奨学金は借金なので返済義務があります。
かりに返済を延滞すると、信用情報機関に個人情報が登録され、クレジットカードや住宅ローンなど今後ローンを組むときに審査が通りにくくなります。
延滞しないように、余裕資金を残しておきましょう。



自分が借りている日本学生支援機構では「延滞が3ヶ月以上になると個人情報を登録する」と書かれています。
おすすめの証券会社


奨学金で投資を始めるなら、証券会社選びは重要です。
あとで変更もできますが手間と時間がかかって面倒なので、最初にしっかり選びましょう。
以下の証券会社がオススメです。



1つずつ見ていきましょう。
SBI証券


つみたて投資枠・成長投資枠本数 | クレジットカード | ポイント |
250本・1,281本 | 三井住友カード Oliveなど | Vポイント dポイント PayPayポイント Pontaポイント JALマイル |
新NISA売買手数料 | クレカ積立金額 | ポイント付与率 |
無料 | 100円~10万円 | 0.5%~3.0%※ |
\ 国内株式個人取引シェアNo.1 /
楽天証券


つみたて投資枠・成長投資枠本数 | クレジットカード | ポイント |
241本・1,293本 | 楽天カード | 楽天ポイント |
新NISAの売買手数料 | クレカ積立金額 | ポイント付与率 |
無料 | 100円~10万円 | 0.5%~2.0%* |
\ 新規口座開設数過去5年累計NO.1 /
マネックス証券


つみたて投資枠・成長投資枠本数 | クレジットカード | ポイント |
234本・1,181本 | マネックスカード dカード | マネックスポイント dポイント |
新NISAの売買手数料 | クレカ積立金額 | ポイント付与率 |
無料* | 100円~10万円 | 5万円以下:1.1% 5万円超過~7万円以下:0.6% 7万円超過~10万円以下:0.2% |
\ dカードクレカ積立最大1.1%ポイント還元 /
よくある質問


【まとめ】奨学金投資は余剰資金で新NISAをするならアリ


奨学金を使った投資は、新NISAを活用し余剰資金でするならアリです。
奨学金を賢く活用しつつ、将来に向けた資産形成にチャレンジしましょう。
ただし無理な投資は禁物です。
まずは生活費・学費を最優先に、しっかりと計画を立てて取り組みましょう。



以下が奨学金投資のまとめです。
- 奨学金投資は「余剰資金」でのみ推奨
- 新NISAのメリットは、非課税・扶養を外れない・確定申告不要・複利効果・金融リテラシー向上
- 注意点は、のめりこみすぎ・詐欺への警戒・返済の延滞